乗り物と赤ちゃんの話

どうも、ご無沙汰です。空の子です。一人で新幹線に乗って本を読んでいたら書きたいことができたので久しぶりの更新です。本文書いてからこの出だしを書いてるんですが案外長くなったので時間があるときにでも読んで見てください。





あまり人に話したことはないが私は乗り物が好きだ。かっこいいからとかそういうマニア的な理由ではなく、楽だし自分では出せない速度で進むので単純に楽しい。だから車だろうと飛行機だろうと自転車であっても分け隔てなく好きだ。特に誰もいない電車に乗るのが好きだ。他の乗り物は人と乗るほうが好きなのだが(自転車は無理だけど)電車は一人にかぎる。飛行機は普段乗らないものなので毎回テンションが上がるが、怖がる人がいてくれないと少し物足りなく感じてしまう。多分墜落することを恐れているんだろうけど、私はいつ死んでも良い派であり(本当はいつ死ぬのも嫌なのだけどその話は別の時にする)あまり気にならないのでむしろその反応を見て楽しんでいる。性悪だなぁ。




考えようによっては墜落死も悪いことばかりではないと思う。墜落するだろうと分かったときの機内は諦めと絶望と恐怖で満たされて皆同じ気持ちを抱いて、なんか心中みたいでちょっとドキドキするかもしれない。大抵の人は死にじわじわ確実に向かっていくのはとても嫌だと思うけど。多分その立場になったら私もあまり喜ばないと思うけど。まぁ考え方のひとつだ。それに墜落死なんて知り合いからすればわりとショックを受けるものだろうから人の記憶には普通より残るかもしれない。これも人に忘れられても良いから生きていたい人のほうが多いと思うけど。



電車の話をしようとしたのに飛行機の話になってしまったよ。寄り道から帰れなくなりがちな思考が憎い。






電車は一人が良いと先に述べたが、外の景色が見えることも重要な要素だ。窓の外を見ているとどれだけの速さで移動しているかということが実感できてとても楽しい。それにとても遠いところまで行けそうな気になるのだ。旅というものは人を一回り大きくするものだが、電車に揺られているとたとえいつも乗っている通学の路線でも自分の器というか人間の度量がむくむくと大きくなっていくような気がする時がある。大抵は気がするだけなのだろうけど。この、旅で人間的に成長している感のために一人というのが大事なのだろう。そういえば私の好きな作家の本で「瞳のさがしもの」という本があるが、その中で登場人物が旅と旅行は違う。という話をしていた。気になったらぜひ読んで欲しいのだが私の感じる旅はその人が言うように旅行とは違うもののように思う。




電車は外を見ているととてもワクワクするかとても静かな気持ちになるが、誰もいない(いてもなるけど)車内に目をむけると眠たくなってくる。以前テレビで、電車中で眠くなるのはまだ我々が胎児だった頃に母親の体内で聞いていた外界からの音と振動に似ているからだと聞いたがとても納得できるものだった。






電車に限らず私は赤ちゃんの頃の感覚を味わって安心する癖がいくつかあった。まず、寝るときの姿勢で丸くなるというものだ。いや、丸と言うよりはうつ伏せに四角くなるのだ。非常に伝えにくいが膝を抱え込むようにして顔面を布団に押し付けてから腕を組んで眠るイメージをして欲しい。もちろんある程度苦しいので一定時間たったら普通に仰向けになるのだろうが、息苦しさよりも安心感のほうが勝っていた。これは小さい子に共通なのかはわからないが妹もやっていた。

 


丸くなると言えば小学生の頃プールでだるま状態のまま水面を漂うのも好きだった。肺活量がないのでたいして長い時間でもないのだが何回も繰り返してやっていた覚えがある。羊水に浸っている頃と似ているからなのかひどく居心地が良かった気がする。なんだか沖に浮かぶブイのようなクラゲのような気分だった。私が愛してやまない森見登美彦氏の「ペンギン・ハイウェイ」で主人公のアオヤマ君だったかも同じようなことをして地球に一番最初に生まれた古代生物の孤独な気持ちを想像していた気がする。まぁそのあと彼はスズキ君たちに水着を奪われちゃうんだけど。




あとは母にくっついているのが好きなのもそうなのかもしれない。私の母は子供があまり好きではないうえにベタベタするのは嫌いなのですぐにひっぺがされるか拒否されるのでその度に抗議するのだがお互いに譲らない。これは今もよくするのでたまにため息をつかれたり他の家族から気持ち悪いと半分本気半分からかいで言われるのだが、小さい頃に注ぐ愛情表現が足りなかったと思って諦めなさいと返すことにしている。このやり取りはきっとどちらかが死ぬまで続くと思う。





東京での受験帰りに三浦しをんさんのエッセイを読んで書きたくなったブログなのでなんとなく(もしかすると濃厚に)しをん臭が漂っているかもしれない。ずっと書いては消してというのを繰り返していっこうに更新できていなかったのでなんだかすっきりした。次からは誰かのエッセイを読んでから書くことにしよう。穂村弘さんあたりが良いかな。もともと人のブログを読んでて始めたくなったものだからぴったりかもしれない。次がいつになるかはわからないが興味があったらまた読んでください。それではバイバイ👋